[insoluble] (読み:インソルブル) クロスステッチとか手芸とか料理とか写真とかバイクとか動物園とか博物館とか水族館とかが好き。読書の日記です。 よろしくお願いします。

[insoluble] 読書と刺繍日記

(読書記録)「言壺」

言壺」(神林長平/ハヤカワ文庫JA)


文章入力支援システム「ワーカム」。ワーカムは文章を文法的に正しい文章にするだけではなく、文章の意味的な矛盾を修正し、さらには執筆者への質問から執筆者が書きたいことを書かせてくれる。
ワーカムを使用したコミュニケーションの一般化と共に、コミュニケーションのあり方が変化した近未来を描くサイエンスフィクション。
「ワーカム」と「言葉」をテーマに同じ世界観で語られる連作集。

言葉というルール。それを巡る認知。人間、そして社会。

言語系を支配するネットワーク。ゆえに覆る世界。
なかなか考えさせられる一冊だった。
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テーマ:読書記録 - ジャンル:小説・文学

  1. 2012年08月31日 11:02 |
  2. ハンドメイド
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(読書記録)「絵のない絵本」

絵のない絵本」(アンデルセン/郁文堂)
むかーし実家に大判のハードカバーであった本。
この前実家に行ったら、ドイツ語訳付き新書サイズがあったので回収してきました。

「マッチ売りの少女」、「人魚姫」、「雪の女王」等々、童話で有名なアンデルセンですが、この作品は、比較的知名度が低いのかな。

月が世界中を巡る間に見聞きしたこと貧しい画家に語り、それを画家が書き留めたという設定で進みます。短編童話というより、童話詩というべきお話が全部で三十三夜という、千夜一夜物語的な構成になっています。

子供の頃読んだのは岩崎ちひろさんが挿絵を描いた、たぶんこのバージョン。

絵のない絵本(若い人の絵本)」(アンデルセン/童心社)
お話や小説じゃなくて絵本だから、どうしても自分が読んだのと同じ挿絵の本が欲しいと思ってしまいます。

テーマ:本の紹介 - ジャンル:小説・文学

  1. 2012年08月29日 10:11 |
  2. 読書
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(読書記録)「モモちゃんとあかねちゃんシリーズ」

だいぶ前に中央図書館に行って借りてきました。
松谷みよ子さんの「モモちゃんとアカネちゃんの本」シリーズ、全6巻。
児童書で、私自身幼少期に読み聞かせをしてもらった作品。1巻の冒頭をそらで言えるぐらいに、お気に入りだったものです。
いずれは購入を検討しているのですが、久しぶりに読みたくなったので、借りてきてしまいました。

ちいさいモモちゃん」モモちゃんとアカネちゃんの本(1)(松谷みよ子/講談社)

『モモちゃんが生まれたのはなつでした。』の一文から始まる第1巻。
モモちゃんと黒猫のプー、ママと、パパにお友達のコウちゃん。
表紙どころか背表紙がぼろぼろになるまで読んだ幼少期のお気に入りでした。
誕生祝いに駆けつけるのが、カレー粉を背負った人参、ジャガイモ、タマネギの三人組に、チューインガムにソフトクリーム。
30枚ものパンツとパンツの歌。
キュウリにお薬をぬったり、結婚ごっこしてみたり。
印象に残っている作品をあげようと思ったら半分くらい該当してたとかそんな作品です。

モモちゃんとプー」モモちゃんとアカネちゃんの本(2)(松谷みよ子/講談社)




モモちゃんとアカネちゃん」モモちゃんとアカネちゃんの本(3)(松谷みよ子/講談社)

モモちゃんが1年生になり、ここから徐々にモモちゃんからアカネちゃんへと主人公がシフトしていきます。
「もっかけんかちゅう」から「ママのところに死に神がきたこと」「森のおばあさん」、そして「おわかれ」。
パパの靴だけが帰ってくる話やママの育つ木とパパの歩く木の話。ママの元に現れる死に神。
家庭内不和、病、離婚等を暗示する、本作品群の中でダークサイドである作品が収録されています。
今読むと、結構怖い話なんですが、読んだ当時、怖い話だったという記憶はありません。不思議な話だなとは思っていた気がしますし、印象には残っていました。
「おわかれ」の後、パパがとぼとぼと反対方向へ歩いていきます。人間のパパの存在が作中で唯一実体を伴う場面です。

ちいさいアカネちゃん」モモちゃんとアカネちゃんの本(4)(松谷みよ子/講談社)

新しい家で、モモちゃんとアカネちゃんとママとプーの新生活が始まります。
「パパ、ないない」


アカネちゃんとお客さんのパパ」モモちゃんとアカネちゃんの本(5)(松谷みよ子/講談社)

正直にいうと、あまり記憶に残っていない作品。
今回読んでも、印象に残るお話は収録されていませんでした。
ただ、『お客さんのパパ』、という表現は言い得て妙だなと思いました。
作中、モモちゃんがパパに会いたがる描写はありません。でも、アカネちゃんはパパに会いたがります。
それはモモちゃんがパパの思い出を少しだけ持っているからなのか、ママの気持ちを思いやってし我慢してしまうからなのか。

アカネちゃんのなみだの海」モモちゃんとアカネちゃんの本(6)(松谷みよ子/講談社)

シリーズの完結編。実はこの作品のみ初読です。
発行が1992年なので、私が読んでいた時代にはまだ発行されていなかったためです。
アカネちゃんは小学一年生になり、再会と別れがまっていました。

「モモちゃんのなみだの海」からの最後の三編は、秀逸。長子であった方のほうが、理解しやすいかもしれません。
泣き虫なアカネちゃんとあまり泣かないモモちゃん。
本自体のタイトルは「アカネちゃんのなみだの海」なのに、お話のタイトルは「モモちゃんのなみだの海」。
『モモちゃんはなきたくてもずっとがまんしてきた。』(172ページ)
そんな森のおばあさんの言葉と、続くうたの詩。

アカネちゃんを主人公として進んできた中で、もう一度、焦点がモモちゃんに戻ります。
この話がある故に、本作品はモモちゃんとアカネちゃんのお話として完結を迎えることができているのだと思います。

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  1. 2012年08月25日 10:13 |
  2. 読書
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(読書記録)「高熱隧道」

高熱隧道」(吉村昭/新潮文庫)


黒部第三発電所建設のため、水路トンネル及び欅平駅~軌道トンネルの開通を目指す現場を描いた一冊。

資材運搬中の転落死にはじまり、岩盤温度はセ氏150度を超える灼熱地獄、宿舎を襲う大雪崩。無残に死んでゆく人夫たち。
国策の大工事、軍需工業力強化の大義名分の前で、人命は呆気なくグロテスクだ。
それでもトンネルの貫通をめざし工事を推し進める技師。
技師らも自認するほどの、過酷な労働環境。
ダイナマイトの自然発火事故、事故を防ぐため、人夫の命を守るための試行錯誤。

あまりの死者の多さから、県警からは工事中止命令が出され、若い技師の発狂する。
工事中止は決定的かと思われた最中、遺族へ天皇陛下からの御下賜をうけて、さらに工事は続いてゆく。

そして、訪れるトンネルの貫通。
消えたダイナマイト。人夫達の間に流れる不穏な空気。
喜びもつかの間、人夫頭の警告を受けた藤平ら技師たちは、暗いトンネルの中を逃げるように峡谷を去る。

吉村昭さんの、歴史小説ではない小説が割と好きです。歴史小説も読んでみたら面白いのかもしれないけれど、どうしても長編になる傾向にあるので手を出しにくい。

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  1. 2012年08月24日 10:19 |
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(読書記録)「世界最悪の鉄道旅行 ユーラシア横断2万キロ」

世界最悪の鉄道旅行 ユーラシア横断2万キロ」(下川 裕治/新潮文庫)


軽い旅本ブーム。
先日紹介した「旅する胃袋」が好きなことをした結果が本になった本であるのに対して、本書は面白いことをしようとして面白いことをした本という印象。

時事問題、歴史的背景なども記載されており読み応えのある一冊ではあるのだが、個人的にはもっと旅部分、現地の人間や風土、習慣の部分に重きをおいてほしかった。

内容的にも途中日本への帰国が混じっていることや、結局最後はあきらめていることもあり、中途半端。
タイトルと違って世界最悪という感じではない。
前発の列車がテロにあったり、出入国の厳しさ、中国での切符争奪戦などなど、内容としては最悪であってしかるべきなんだけど。
そうであるならばもっといろいろ書くことがありそうなものなんだけどなぁ。

タイトルで期待していただけに、ちょっと期待外れな一冊。

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  1. 2012年08月22日 09:55 |
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